Phantom road
□episode 13
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<ルナ Side>
その夜――…
目を覚ました私は静まった封印の間にひとり訪れていた。
ここは私達をあわせた場所。でも…
『ユウ…っ、私どうしたらいいの…?』
シリル…、シリルが居たらなんていうかな?今の私を見て、あなたは私を説教するかな?
主は神を信じるか?
その言葉がずっと私の頭に残ってる。
どうしても消えてくれない。
「まだ教団が許せないか?」
『!…フォー』
彼女はここの守り神。そして幼い頃泣いてばかりだった私の話をいつも聞いてくれてた。
『…私、知ってるんだ。ユウとアルマのこと』
「え…?」
『全部知ってる。だから守りたかった…でも守れなかった、』
「…好きなんだな」
『え…?』
「神田ユウが好きなんだろ?顔に書いてある」
『…うん、大好き』
「…(フッ」
フォーはフッと笑うと私の隣に腰掛けた。そして私の頭を撫でてくれた。
『でも私はアクマ、ユウはエクソシスト。一緒にいちゃいけない…私はみんなを、ユウを騙してる…っ!!』
こぼれ落ちる雫は涙。
いつから私は泣いてなかったか。そう…多分あの日、シリルとティナと別れた時。あれが私が涙を流した最後の日。
「…両親を殺されてまでなんで来た?咎落ちが恐くて裏切れなかった訳じゃないだろ?」
『…』
「考えすぎて大切な事が埋もれたんじゃねェの?お前の大切な人のこととか、師のこととか」
『…う…っ、わぁぁぁあっ!!』
その夜私は泣いた。
溜めていたことを全て吐き出すように。
――ありがとう、フォー…
<ルナ Side 終了>