Phantom road
□episode 12
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『どこ…!!』
咎落ちが終わり静かになった竹林の中でルナは声を辿ってノアを探していた。どうしても見つけたかった。
「やめろぉぉぉおっ!!」
『!』
――バキンッ
音を立て塵と化したのはアレンのイノセンス。彼のイノセンスをノアが破壊したのだ。ルナは目を見開いて驚いた。そしてそれは怒りに変わる。
「出て来いよ、ルナ・ハーリス」
『…』
「ルナ…!?」
ルナのイノセンスである鍵爪から音を立てて走る電撃。それからはルナの怒りが伺える。
「何そんな怒ってんの?少年のイノセンス壊したから?それともスーマン殺したから?」
『うるさい…!!』
――ドッ
「怒りがあだになったな、姫様」
『な…に…っ、』
ルナの体の中に突っ込まれたノア、ティキ・ミックの手。それと同時にルナは血を吐いた。
ティキがルナの内蔵を潰したのだ。そして破壊したものがもうひとつ。
「これ何かわかる?」
『クリ、ム…!』
「正解」
『!?』
――バキーンッ
クリム…拳銃に拘束されていたイノセンスの武器化を解きその姿が露になった。
これはまずいと感じたルナは手が突っ込まれているのにも関わらず動き、今にも壊されようとするイノセンスを守った。
だが…
『ぅあ…っ!!』
「これくらいにしとくか」
鍵爪までが破壊された。だが完全破壊ではなく片方だけの破壊…つまりは半壊だ。
「ルナ!!」
『…っ、ブラッ…ド…』
ルナの元に飛んできたブラッド。
話してはいるものの心臓病も発症し虫の息。ブラッドは怒りつつもそれを耐えていた。それは全てルナの為。
「ルナ!!ルナ!!」
『…にげて…っ、おねがい…』
「ならルナも「だいじょうぶ」!」
『こいつ…っ、私のこと…殺せないから…!』
「!」
『だからにげて…(ニコ』
「…死なないで、絶対」
その返事としてルナはにこりと笑った。ブラッドはスーマンのイノセンスを取り空を翔けていった。
「お前も行け…、ティム」
そしてティムがその後を追い掛けた。
「よくわかったな。だが、死ぬぜ?直に」
『…そう、だね…』
「ルナ!!」
ルナは倒れた。だがティキはそれに近付くどころか攻撃ひとつしなかった。
「次は少年の番だ」
手には千年伯爵作食人ゴーレムの黒蝶。ティキはそのままアレンの心臓に向けて手を突っ込んだ。
「心臓に穴を開けるだけにしろよティーズ。こういう勇敢な奴は死ぬまでにほんのちょっぴり時間をやった方がいい。
心臓から血が溢れ出し体内を侵す恐怖に悶えて死ねる」
――ブシュッ
アレンの心臓が喰い破られた。
手を引くついでにボタンを取りトランプを見つける。ティキはそれを手に取りバラまいた。
「よい夢を、少年」
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