Phantom road

□episode 12
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「ルナ様」

『?アニタさん…』


海上を進む船の上で考え事をしていたルナとブラッド。そこにやってきたアニタ。


『何で私の名前…』

「クロス様から聞いたんです」

『クロスが…?』

「はい」


アニタはルナの隣に来ると同じように海を見た。


「“俺はあいつを守る義務がある”…と言っておりました」

『…何でそんなこと、』

「友に託されたそうですよ」

『…そっか』


友…それが誰をさしているのかルナは分かっていた。だからこそその人物が誰なのか確認をとらなかった。


『…危険なんですよ』

「覚悟は出来ています」

『クロスは追ってくるなって言ったでしょ?』

「…よくおわかりで(苦笑」

『なんとなく(苦笑」


そんなときルナが何かに反応するかのように海の先を見た。アニタとブラッドはその行動を見て首を傾げた。


「どうかしましたか?」

『…来る』

「え…?」

『アレンッ!!』

「はい!!」

「何さ?」

「アクマが来ます!!それも大量に!!」

「「!」」


アレンの言葉と同時に大量のアクマが海の向こうからやって来た。そのあまりの数に一同は騒然となる。


「なんて数なの!?」

『船を超えて行ってる…』

「お、人間はっけーん!」

「エクソシストもいるぞ」

『「!」』


どうやらアクマはアレン達の足止めに来たというわけではなく、何か別の理由で彼らアクマは集められたようだ。


『…「うわっ!!」!…アレン!?』


アレンはアクマに加えられ港のほうへ。それを助けようとするも別のアクマが邪魔をして助けにいけない。


『この…っ、ブラッド!!』


イノセンスを発動し空を翔けていたブラッドはルナの声をきくと下に降りてきた。ルナはその上に飛び乗ると再び空を翔けていく。


『イノセンス第二開放』


――ダブルバルト


手には二つの拳銃。その拳銃に込められているのは白色の弾。


『“ウィンドボム”』


音を立ててアクマは斬れて行く。その数は半数以上減り同じエクソシストであるラビ達は少々驚いていた。


「さすが…心強いさ」

「すごいである…」

『フゥ…』



――来いよ



『!…この声…』

「どうかした…?」


頭の中から聞こえてくる声。その声にルナは覚えがあった。


『ラビ!!ここ任せてもいい!?』

「ああ!!気をつけるさ!!」

『うん!!』


赤く燃えるような空に向かって行ったルナに、ラビは嫌な予感を覚えた。


「死ぬなよ…」


その声はアクマの声にかき消された。





























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