Phantom road
□episode 06
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「なんか元気なかったですね…コムイさん」
「…なんか兄さん、色々心配しててはたらき詰めみたい」
「心配?リナリーの?」
「伯爵の!」
リナリーは持っていた資料でアレンの頭を叩いた。そして先程から以上な程静かなルナに目が向けられた。
『なに?』
「どうしたんです?気持ち悪いくらい静かなんで」
『どういう意味かな』
「そのまんまです」
『…((怒』
そんなこんなで睨み合ってるとアレンが持っていたフォークをぼとりと落とした。アレンの視線の先をルナは見た。
そして絶句した。
「Σああーッ!!」
「Σ!」
アレンが指をさした女は窓から大脱走。アレンはその服すそをギリギリ掴みなんとか止めた。
そして互いを自己紹介。
「私はミランダ・ロットー。嬉しいわ、この街の異常に気付いたひとにあえて…。誰に話してもバカにされるだけでホントもう自殺したいくらい辛かったの」
『「(結構キテるっぽい…)」』
ミランダの隣にいたルナはあまりの怖さに壁にはりついている。彼女はどうもホラー系統に弱いようだ。
「ミス・ミランダ、あなた街が異常になりはじめてからの記憶があるの?」
「ええ、街の皆は忘れちゃうみたいだけどねぇ助けて助けてよぉ!!お願い!!」
『Σわぁぁぁあッ!!ごめんなさーい!(泣』
ミランダは隣にいるルナに顔を近付け訴えた。ルナは涙を流しながら何故か謝っている。
「ミランダさん、落ち着いて…」
「あなた昨日私を変なのから助けてくれたでしょ!?助けたならもっと助けてよーっ!!」
「うわわっ怖い!泣」
「落ち着いてミス・ミランダ!助けるからみんなで原因を探しましょう」
『「!」』
アレンとルナは自分たちの近くにいたアクマに気付いて立ち上がった。
「リナリー、ミランダさんを連れて一瞬で店を出て。君の黒い靴ならアクマを撒いて彼女の家まで行けますよね?」
「!」
「何故ミランダさんが他の人達と違い奇怪の影響を受けないのか、それはきっとミランダさんが原因のイノセンスに接触してる人物だからだ!」
「え?」
目の前に現われた四体のアクマ。リナリーとブラッドはミランダを連れて店を出た。
――イノセンス発動
『ライトニングボルト!!』
「ぐわぁぁぁああっ!!」
鍵爪から発せられた雷の玉がアクマをしとめる。残り三体。
「パングヴォイス!」
「!?頭が…っ」
どうやらこのアクマの能力は音波系。アレンは頭を抱えて苦しんでいた。
「風切鎌!!」
『アレン!』
「!」
ルナはアクマの攻撃に当たりそうなアレンを抱えて攻撃をよけた。
「ありがとうございます!!」
『どういたしまして』
ふたりは目の前のアクマを見た。そんなときアクマ達の動きがピタリと止まった。
――楽しそうだね、お前らぁイノセンス回収のこと忘れてね?
“戻れ”
アクマはいっせいに引いた。
「何だ…?」
『(今の声…)』
ふたりは一度街を見回ってからミランダの家に向かったのだった。
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