Phantom road
□episode 04
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<ルナ Side>
「ハーリス殿」
『トマ…』
「室長殿から連絡がありました」
『コムイから?』
「任務完了したことは伝えたので、神田殿の目が覚めたらまた連絡してくれと」
『そっか、ありがとう』
点滴を付けられスヤスヤと眠るユウ。私は同じベッドに腰掛けるとその寝顔をじっと見た。
ただ思うのは生きててよかった。
「ハーリス…殿…?」
気が付けば目には涙。
それに気が付いたトマは部屋を出ていった。それが彼なりの気遣いなのだろう。
『ゴメンね…っ』
「俺はあの人を見つけるまで死ぬワケにはいかねェんだよ」
彼は私じゃない誰かを見てる。
なのにどうして…、そればかり考えてしまってすごく苦しい。
私…
『ユウの事こんなに好きだったんだ…っ』
涙がでるくらい、大好きなんだ。
だからこんなに苦しくて悲しい。でも好きだと気付いたのなら尚更別れが辛くなる。
――シリルッ!!シリル…っ!!
『シリル…』
もうあんな想い…。
私は涙を拭って立ち上がった。
そして部屋をあとにした。
<ルナ side 終了>