Phantom road

□episode 04
7ページ/8ページ




<ルナ Side>




「ハーリス殿」

『トマ…』

「室長殿から連絡がありました」

『コムイから?』

「任務完了したことは伝えたので、神田殿の目が覚めたらまた連絡してくれと」

『そっか、ありがとう』


点滴を付けられスヤスヤと眠るユウ。私は同じベッドに腰掛けるとその寝顔をじっと見た。

ただ思うのは生きててよかった。


「ハーリス…殿…?」


気が付けば目には涙。

それに気が付いたトマは部屋を出ていった。それが彼なりの気遣いなのだろう。


『ゴメンね…っ』



「俺はあの人を見つけるまで死ぬワケにはいかねェんだよ」



彼は私じゃない誰かを見てる。
なのにどうして…、そればかり考えてしまってすごく苦しい。

私…


『ユウの事こんなに好きだったんだ…っ』


涙がでるくらい、大好きなんだ。

だからこんなに苦しくて悲しい。でも好きだと気付いたのなら尚更別れが辛くなる。


――シリルッ!!シリル…っ!!


『シリル…』


もうあんな想い…。

私は涙を拭って立ち上がった。
そして部屋をあとにした。





























<ルナ side 終了>
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ