Phantom road
□episode 04
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「ギャヒャヒャヒャ!!すげー!!立ちながら死んだぞ!!」
「お前ぇぇえ!!」
神田に攻撃したアクマを吹き飛ばしたアレン。そのスキにルナは倒れそうな神田を受け止めた。
『ユウッ!!ユウ!!』
「…ハ…ハ…」
『ユウ…』
ルナは神田をぎゅっと抱き締めたあとアレンを見た。アレンはトマを抱えて逃げる準備は万端だ。
ふたりは顔を見合わせるとその場から逃げた。
「僕が運ぼうか?二人共怪我してるでしょ?」
「僕は平気です」
『私も大丈夫』
アレンはトマをルナは神田を抱えて地下をさ迷っていた。行く宛もなくただ進むことしか出来ない彼ら。
『どこか手当出来る場所を…っ』
「待って」
『ブラッド…?』
「唄が聞こえる」
『唄…?』
〜♪
どこからか聞こえる綺麗な歌声。だがそれは悲しみが入り交じったもの。ふたりはその歌声に導かれ足を進めた。
そこは地面いっぱいに敷き詰められた広間。
その真ん中に彼らがいた。
「なんで自分が人形だなんてウソついたの?」
「私は…醜い人間だ。ララを他人に壊されたくなかった。
ララ…ずっと側にいてくれ。そして私が死ぬ時私の手でお前を壊させておくれ…」
「はいグゾル。私はグゾルのお人形だもの。次は何の曲がいい?」
「私は醜い…醜い人間だ、」
そう言って涙を流すグゾル。
ララは何も言わずそのやり取りを見ていたアレン達に気が付いた。その目は先程とは違う鋭い目。
『「Σうわっ!?」』
ララは近くにあった石柱をふたりに投げつけた。ふたりはそれをすかさずよけると、アレンはルナにトマをあずけララに向かって行った。
残されたルナは神田を寝かせた。
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