Phantom road

□episode 00
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「君も被験体の子?」

『!』


話掛けて来たのは変な服を来た男の子。その子は私にハンカチを差し出すとにこりと笑った。


「他の研究所からだよね?初めて見るから」

『…うん…っ』

「ずっと泣いてるんだね」

『1人なの…お兄ちゃんとも離されて…誰も居なくて…っ』

「Σああーッ!!泣かないで((汗」


そう言うと男の子は私の頭を撫でながら慌て始める。久々に感じた温かさに私は余計泣きたくなってしまった。


「君はひとりじゃないよ」

『ひとりだよ…っ』

「僕がいる」

『!』

「あと僕の友達!」

『ともだち…?』

「そ!君も今日から友達だよ」

『……』


子供なりの励ましか、すごく嬉しくて孤独が消えていく気がした。


「僕はアルマ!!君は?」

『ルナ…、』

「ルナ…いい名前だね」

『パパやママ…町の人達がみんなで考えてくれた名前なんだ…』


少し照れ臭く私は言った。だがアルマは何故か首を傾げていた。


「パパやママ…町って何?」

『知らないの…?』

「へへ…ここから出たことないからさ(苦笑)」

『……』


私と同じ歳なのに私よりひどいめにあってるのに…、どうしてここまで笑えるの?

私には笑えないよ。


「ルナはずっとこの研究所にいるの?」

『多分…』

「じゃあまた会えるね」

『…そうだね』


アルマ。

彼に会って少しだけ、孤独で冷えきった心が温められた気がした。



















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