Phantom road
□episode 20
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「師匠!!」
「時刻か…、急がねェと間に合わねェな」
『?』
倒れたティキに断罪者を向けるクロス。そんななかクロスに向かって斬撃が飛んできた。クロスとルナはそれをよけ、矛先を見た。
「こんにちワv」
「これはまた…」
現れたのは千年伯爵。ルナは武器も構えなければ殺意さえ芽生えない自分に何か違和感のようなものを感じていた。
――バンッ
「お前のトロいしゃべりに付き合う気分じゃない、冷かしならでていけ」
伯爵が乗っている瓦礫をクロスは壊した。そして伯爵は地面に着地する。
「これはこれは!ここは我輩の方舟ですガ」
「捨てたんだろ。この舟は江戸から飛び立つ翼を奪われたアヒル舟。“14番目”…ノアを裏切った男の呪いがかかった日からな…」
「やはり…貴方でしたカ…」
伯爵の目付きが変わった。それは殺意と怒りが交じり合ったような目。
「あの男“14番目”に□を与えられた“奏者”ハ」
『奏者…』
「何をしに来たのですカ?この舟を奪いに来たのなら遅すぎましたネェ。すでにこの舟の“心臓”は新しい方舟に渡りましタ」
『…』
「心臓がなくては舟は操れない、奏者であっても何もできませン。この方舟は最後にエクソシストの血を吸う棺となるのですヨ」
『この…っ』
――バチッ
ルナの悪魔ノ爪から黒い雷が走る。それはルナの心に譜の感情が表れ始めた証拠。
だがルナが攻撃する前にアレンが攻撃を仕掛けた。
『…!』
「伯爵ぅぅうっ!!」
「!」
伯爵は自分に向かってきた攻撃を大剣で受け止めた。そしてよく似ている剣の形状に伯爵は驚いていた。
「“憎悪”…いい瞳だアレン・ウォーカー!!」
アレンを押し返すと伯爵は下へと落ちていく。その先にはロードのゴシックの扉。アレンはそれでも伯爵を追い掛けた。
「(落ちる…!!)アレンくん…っ!!」
「ルナ!!」
『うんっ!!』
伯爵を追い掛けて落ちていくアレンを受け止めたのはブラッドに乗ったルナ。だがそれでもアレンは伯爵に向かおうとする。
「離せ!!仲間の…ラビ達のッ!!」
『…!(ラビ達まで…)』
ラビとチャオジーの姿がないことに気が付いたルナは唇を噛み締めた。
「離せッ!!」
――バチンッ
「………」
ルナは暴れるアレンの頬を力一杯殴った。アレンはその行動に言葉を失った。
『しっかりしなさいよっ!!馬鹿モヤシ!!』
「ルナ…」
「まだ希望があるかもしれないよ、アレン」
「ブラッド…」
アレン達を乗せたブラッドはクロスの元へ行った。
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