Phantom road

□episode 17
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『…っ、ここ…どこ…?』

「あ、目ェ覚めた?」

『ロード…』


ベッドで横になっていたルナ。目を覚ましてすぐ話しかけてきたのはロード。その近くにはティキも居た。


「ティア…」

『ティナ…』


そのすぐ隣には同じようにベッドの上で眠っていたティナが目を覚ました。

ティナはゆっくり手を伸ばすとルナの手を握った。その手は異常な位冷たかった。


『ティナ…あんた「ごめんね」!』

「いっぱい…傷付けちゃったね…、」

『…』


ティナの目には涙が溜まっていた。それを見たルナは言葉を失った。


「あの日…ノアが、私を助けてくれたの」

『ノア…?』

「…私の中にいたアクマは憎しみに支配されてイノセンスじゃもう、抑えきれなかった」

『…』

「でもね、教団をどれだけ恨んでもルナの事は忘れられなかった…っ。私が恨みに埋もれてもこうしていられたのはノアが私のアクマを止めてくれたから…」

『ティナ…』

「…あの人、シリルは生きてるよ」

『!』

「だからもう…罪を背負わなくていいんだよ?」

『ティナ…!?ティナ!!』


ティナの体が粒子化していく。それを見た
ルナは驚き焦り始める。


「逝かせてやれよ…、もういいだろ?」


そう言ったのはティキ。


「そのまま見てて…」

『…うん』

「ルナ…ありがとう」


ティナは死んだ、今度こそ。

ルナはティナが首にかけていた鍵と彼女のイノセンスを手に取った。




「いつかシリルと私とティアでこの宝箱の中みようね!その時も絶対、ずっと一緒!


――約束だよ」






『…う…っ、うう…っ!』

「…」

「ティッキー…?」


ティキは立ち上がると涙を流すルナを抱き寄せ、頭を撫でた。


「…泣けよ」


たった一言。

でもその一言が嫌に響いて、ルナは声を上げて泣いた。






























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