Phantom road
□episode 07
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三日後――34回目10月9日、
「はーい!!ピーテル劇場のホラー演劇“カボチャと魔女”本日公演♪」
さんざん考えた挙句、アレン達はミランダの強い絶望感にイノセンスが反応したと推測を立てた。
再就褥すれば彼女も前向きになるのでは…と。
『あれからアクマが何も吹っ掛けてこない…』
「何か引っかかるね」
『(あの声も…)』
ただルナとブラッドはあれから何も仕掛けてこないアクマに何か不自然なものを感じていた。
そんな中アレンとルナ、リナリーはテントの裏で休憩をしていた。
「アレン君って大道芸上手だね」
「僕、小さい頃ピエロやってたんです。育て親が旅芸人だったんで食べるために色んな芸叩き込まれました」
「じゃあ色んな国で生活してきたんだ」
「聞こえはいいけどジリ貧生活でしたよ〜。リナリーはいつ教団に入ったんですか?」
「私は物心ついた頃には教団にいたの」
『…』
先程まで立っていたルナはブラッドを抱くとリナリーの隣に腰掛けた。
「私と兄さんはね両親をアクマに殺された孤児で、私が黒い靴の適合者だとわかってひとり教団につれて行かれたの。
三年ぶりだった。
コムイ兄さんは私のために“科学班室長”の地位について教団に入ってくれたの」
「すごいなぁ、コムイさん」
「うん。だから私は兄さんのために戦うの」
『(兄…か)』
少し俯いて話を聞いていたルナ。ブラッドを抱くその力は少しだけ強かった。
「ルナは教団にいつ入ったんですか?」
『………』
「ルナ…?」
『!ん?な…何?』
「どうかしましたか?珍しく何か考えてたみたいですけど」
『うん…ごめん(苦笑』
「…」
いつもなら言い返してくるはずが何故か言い返してこない。アレンはその様子がおかしいとすぐにわかった。
「ルナ「ねぇそこのカボチャ」!」
ルナに声をかけようとしたアレンの言葉を遮ったのは傘を持った少女。
「“カボチャと魔女”のチケットどこで買えばいーのぉー?」
『あんた…』
その少女の正体にいち早く気付いたルナは驚いていた。
「じゃ、後半頑張ってきます!」
「がんばって」
『ちょっアレン「何だと!?」!』
「売上金をスリに盗られただ!?」
「すいません…」
「バカヤロウ!!」
少し見ない間にミランダは問題を起こした。
どうやらスリに売上金を盗られたようで、アレンとリナリーはそれを取り返そうと追い掛けた。
「何で私ばっかこうなのよ…なんで私の時計がイノセンスなのよ…っ!!」
「あんたの時計がイノセンスなんだぁ」
『ミランダッ!!』
「!」
――バンバンッ
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