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□cat
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「にいちゃんどいつか買ってかないか?」

街の裏通り。

薄汚い路地裏にある店の一つにいたおやじに声を掛けられてアッシュは立ち止まった。

ちらりとおやじの方を見遣る。

そこには建物と建物の間の狭いスペースに詰め込まれたように一軒の店があった。

今にも崩れ落ちそうな看板には赤いペンキで『PET SHOP』と書かれている。

どうでもいい。
そう思い通り過ぎようとしたとき。

鮮烈な朱が目に入った。

その朱はガラスのウィンドウ越しに哀愁に満ちた瞳をアッシュに向けていた。

きらきらと輝る碧の瞳には到底似合わないその色。

だが・・・・確かにアッシュは瞳の中にそれを見た気がした。



まるで吸い込まれるよう・・・


あぁ。
こいつも俺と同じだ・・・・


そう思うといてもたってもいられなくなった。


「おやじ。こいつはいくらだ?」


次にはどうしようもない朱毛の猫を腕に抱いていた。
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