腐りの書
□バレンタインデーのお悩み
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2月14日
恋する乙女達が燃えに燃えるバレンタインデー当日である
池袋の街もバレンタインデーということであちこちで賑わいをみせていた
が、賑わいとは程遠い暗い空気を纏う男がここに一人存在していた
「・・・うぅ・・・」
いつの季節にもマフラーを着用しているため、別の意味で有名人となっている月島
彼は今落ち込んでいるというより悩んでいた
その原因は紛れもない、バレンタインデー
「・・・はぁ・・・どうしたらいいんですかね・・・」
暗い空気をどんどん周りに放つ月島に近づく影二つ
「何やってるの?・・・月島さん」
「すごい・・・暗い・・・重い・・・空気・・・だね・・・」
「あ・・・津軽さんにろっぴさん・・・こんにちはです・・・」
軽く自分の前に立った二人に手を振り、また落ち込み出す月島
ろっぴは軽い溜息をつくと月島の顔を覗き込んだ
前かがみになったろっぴの上に津軽がのしかかったがろっぴは別に気にした様子はみせない
「どうか・・・したの?」
「元気・・・ない・・・月島・・・どうか・・・した・・・?」
一気に心配そうな表情を浮かべる二人
二人の問いには答えず、ただ俯く月島に二人の心配は膨らんでいった
やがて月島が吐き出した言葉は二人はまるで想像してなかった言葉
「・・・バレンタインのチョコ・・・静也さんに渡そうか悩んでるんです・・・」