紅色ノ旋律

□第241話〜第270話
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第242話 見えぬ者の有り方


誰もが一心不乱に、ジークが居るであろう場所に向かって走り続ける。
彼らが願うのはジークの無事。
直ぐにでも彼の無事を己の目で確認したいのだ。
しかし。
今のジークの願いは、皆に会わぬ事である。
だけれど、そのジークの願いはリジア達に届く筈もなく。


「……ここ、か?」
「はい。微弱ですが、存在は感じます」
「うわあ、大きな教会だなあ」
「ここに、ジークが居るのね」
「開けますよ、皆さん」


ハルヴェルが教会の扉の取っ手を掴み、皆に問いただす。
誰もが無言で首を縦に振るのを確認し、ハルヴェルはゆっくりと取っ手を引いた。
重々しい音と反して、扉は簡単に開く。
協会内にはステンドグラスから射し込む月の光が、不気味と中を照らし出す。
その中に足を踏み入れた時、リジアはふと月の光に照らされているモノが目に入った。
いや、目に入った様に見えたのだ。


「ジーク、さん?」


ファシーは眉を潜めてステンドグラスの下を凝視しながら大変です、と声を荒げた。


作者コメ
中途半端で大変すいません…orz
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