紅色ノ旋律

□第151話〜第180話
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第151話 真夜中の商売人


「何故私が貴様と同じ部屋なのだ」
「俺だって聞きたいから。なんでお前と同じ部屋なんだよ」

結局、ハルヴェルと同じ部屋になったのはユニだった。
そして部屋の都合で一緒の部屋になってしまった、犬と猿の仲リジアとジークは今にも戦闘が始まりそうな位に火花がバチバチと音を立てている。

「大体お前は――」

リジアがそう言葉を紡いだ瞬間、ふと廊下に複数の人の声が響いた。
反射的に二人は廊下の会話へと耳を傾ける。

「この部屋か?」
「確か女と一緒に入ってったはずだぜ」
「しかし、妖精を売るだけで金がたんまり手に入るなんて、良い商売だよな〜」
「ばかっ、お前誰かが聞いたらどうするんだよ」

男達の会話を聞いて、直ぐに男達の狙いが分かったリジア達は時計を見る。既に日付が変わっているこの時間帯、ティアラ達が起きている訳がない。

「…行くか」
「ふん、言われなくとも」

こういう時はやはり息の合っている二人。
それぞれの武器を持ってそっと部屋を出る。男達は二人の存在には気付いていないようで、金が手に入ったら何買おうかな〜などと既にうはうは状態だ。

そんな男達に二人は呆れたような表情を浮かべつつも、背後へと忍び寄った。

「じゃあ俺達も今から良い商売をしようかな?」
「無論、取引先は地獄の閻魔だがな」



作者コメント
遅くなってしまってすみません!今日までだと勘違いして余裕ぶってた私を許してあげてください(土下座)
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