紅色ノ旋律

□第61話〜第90話
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第61話 許せない


ティアラが開いた扇を手に持ち構えた瞬間。
「やめろ」
え?とティアラは声の主、リジアを見る。
「何を言ってるの…?光玉を倒さなきゃ貴方達は仲間を見つけるどころか死ぬかもしれないのよ!?」
「だから?」
「だから、って…」
リジアはティアラの肩をポンポンと叩いた後、笑いかけた。
「だって、俺らは死ぬ気ねーし」
そう言った後、光玉を睨みつける。
制止しようとしたティアラの手をユニが握り、リジア同様笑いかけた。
「寂しいだとか、見てくれないだとか」
一歩、また一歩と光玉に近寄る。
体中が傷で覆われていて歩く事すらままならない筈なのに。
その瞳は生気に満ちていた。
「本気でんな事言うならなぁ、こんな幻影…出すんじゃねぇ!!!」
リジアは剣で四つの幻影を凪ぎ払う。
そしてそれらは揺らめいた後割れるように消えた。
「ふざけんじゃねぇぞ!やっと還れた奴らを玩具みたいに扱いやがって!!もしこれが幻影じゃなく本当に奴らだったらてめぇをぶった斬ってた!!!」
怒りの気に満ちた静寂が部屋を漂った。


作者コメ
やっべ、作者だけど私光玉苦手だ。
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