紅色ノ旋律
□第31話〜第60話
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第31話 いつだって
「貴様が余に剣を向けた時…それは何を意味するか分かってはいるようだな」
「テメェ…汚ねえぞ!!…ん?」
リジアはふと、自分の言った言葉に首を傾ける。
「…そうか…そうだよな…」
「?」
「どうも俺には頭を使う戦いは苦手らしい!!」
リジアは一直線に水玉へと向かった。
「ほぅ?我に剣を向け……なっ!?」
「テメェなんざ構ってられるかよっ!!」
リジアは一気にユニを捕らえている水に斬りかかった。
「うおらぁぁあっ!!!」
ザッパーンという音と共に、リジアはユニと同じく水の玉へと入っていた。
「…たった一本の剣で斬れる訳がなかろう…」
水玉は少し哀れみの目でリジア達を見た。
水中で目を合わせるリジアとユニ。そして二人は自分の全ての力を込めて水を斬った。
「何っ!?」
「ゲホッ…僕たちは…」
「最初から1人で戦いに来てるんじゃないんでね!!」
いつもお互いを頼りに戦ってきた二人だから、と顔を合わせ微笑む二人。
水玉はただ二人を唖然とした様子で見た。