紅色ノ旋律
□第211話〜第240話
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第211話 人間と妖精
「ファシーは大丈夫なのか?」
リジアの視線がファシーへと移動すると、それにつられるように全員の視線がファシーへと集中する。
「ファシーは……」
安らかに、
そう、安らかに眠っていた。この後起きるかは分からないが、確かに安らかに眠っていたのだ。
「…まだ目覚めないわ」
「でもさっきよりも幸せそうだね、きっと良い夢を見てるんじゃないかな」
ファシーを見つめながらユニはティアラに続いて呟いた。
そして次は何故だか助けに来てくれた妖精達。
妖精達はトリカルの連中が逃げると、とても嬉しそうに歓喜の声をあげていた。その姿にリジア達はまるで先程までの激戦が嘘かのように、それはファシーの表情とも似た笑みを浮かべた。
この戦いで何度妖精に助けられたか。
「シンドローム」という壁が人間との間にあったとしても助けられたのは事実。
リジア達はこの壁をどうにか出来ないか、そう考えていた。
そして、ふと妖精達と視線が交わった――
作者コメント
今回は台詞少なめに頑張りました!