短編
□地球崩壊の火蓋は切って落とされた
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気持ちのよい朝。
風は万事屋の隙間を通り抜け心地よく部屋に流れた。
珍しく早起きをした訳は抵抗力、とでも言うべきであろうか。
「ちゃ〜い〜な〜っ!!」
「んぎゃっ!?」
不意に体に回された手。
あぁ、またか…
「…またお前かヨ、沖田」
「またとはなんでィ、せっかく会いに来てやったんだから喜びなせェ」
誰が喜ぶかっ!なんて突っ込みをしたってコイツ…沖田総悟は変わらないだろう。
そう、私が早起きをする理由は沖田の奇襲から逃れるため。
寝ている状況だと服を脱がされる可能性があり極めて危険なのだ。
「本当…なんで私がお前なんかのために…」
というか、沖田はいつからこんな変態になってしまったんだろう。
前までは確かに喧嘩友達だったのに、いつのまにか「好きだ」と言ってきたのだ。
しかし驚いたのもあり「はぁ!?な、何言ってるアル!お前の事なんか好きでもなんでもないネ!」…なんて言う事を言った。
多分それくらいから沖田は変態と化していったのだ。
どこからともなく現れて変態発言&行為をしていく。
「んぁ〜…あれ総一郎くんまた来てたの?朝から元気なもんだねェ」
「あ、銀ちゃん!」
「総悟ですぜィ旦那」
銀ちゃんが起きてきた。すると同時に沖田は眼光を飛ばし銀ちゃんを睨み付けた。
沖田は銀ちゃんが気にくわないのだろうか?まぁどうでもいいけど。
「いいからご飯食べるアル!沖田はさっさと出ていけヨ」
「何言ってんでさァ、旦那と二人きりにさせてたまるかィ」
「もーうっとうしいアルな…」
「それより俺が旨いもんでも食べさせてやりまさァ」
「えっ本当カ!?ってさりげなく腰に手を当てるなぁぁぁあっ!!」
ドカッッ!!
「こらぁぁぁっ!!テメーら家壊すつもりかァァァァ!!!」
もの凄い轟音が響いたと思ったら今度は銀ちゃんの怒声が轟いた。
「違うアル!私何もしてないネ!!」
「オメーしかいねーだろ!!バイオレンスな娘は!」
「何だとこのくされ天パ…」
「やぁ」
…どこからともなく聞こえた覚えのある声。
いやいや、それはいくらなんでも…
「やぁ神楽、お侍さん」
銀ちゃんと私はおそるおそる後ろを振り向くと…
「なんでお前がここにいるアルかぁぁぁぁっっ!!?」
同じ色の髪にぴょんぴょん跳ねるアホ毛。ヘラヘラと笑うその顔…神威だ。
「いや、やぁじゃねーよ!何普通にいるんだよ!」
「ちょっと仕事でね。ついでに神楽の様子を見ようと思って」
神威は相変わらずの笑顔だ。
という事は、さっきの轟音はコイツの仕業か。全くいい迷惑だ。
「…あのー俺忘れてやせん?」
「あっ!!忘れてたネ、つーかまだいたのかヨお前」
ポツリと呟いたのは沖田だった。
「当たり前でさァ、てゆーかツンデレ可愛いなチャイナ…」
「ぎゃあぁぁぁっ!!引っ付くなこの変態ドS!!」
ぎゃいぎゃい、わいわい。
沖田は先ほどのように私にベッタリ張り付いて気持ち悪い。
銀ちゃんはやれやれ、といった感じで見ていた。
てゆーか朝ご飯食べさせろ!
…と思った矢矢先、もの凄い殺気が体を震わせる。
沖田もその殺気を感じたようでビシッと固まった。
「…あの〜…お兄さん?」
銀ちゃんは殺気の元凶…神威におそるおそる問いかける。
「…お侍さんの前に君を殺そうかな」
「「「え?」」」
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「おい総悟、お前最近万事屋に行かねェんだな?」
土方さんはタバコを加えながら思い出したように言った。
「行きたくても行けないんでさァ…俺が行けば間違いなく地球は崩壊するんでィ」
「…今ごろ中2病か?」
END
後書き
ミミ様
リクエストありがとうございました!とても詳しく書いて頂いて書きやすかったです(^∇^)
あまり希望通りにならない部分もあったかと思われますが(^^;)まだまだですね
それでは!