短編
□イチャコラするなら外へ行け
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「ただいまー」
既に我が家は明かりが消えていた。
まだ夜の8時。
家には妹、神楽がいるはずだけどこんなに早く寝るなんて具合でも悪いのだろうか。
少し心配になって二階の神楽の部屋へ急ぐ。
やはり神楽の部屋から明かりが漏れている。
「かぐ…」
部屋をノックしようとした時。
「はいっそーごあーん」
「さすが俺の女は料理がうまいでさァ、結婚したら毎日この飯が食えるな」
「もう!そーごは気が早いアル〜」
思考が停止した。
…は?
何神楽…
こんな夜に男連れ込んでるの!?
神楽も年頃の高校3年だ。
彼氏なんていてもおかしくない。
それに神楽は俺に似て可愛いし。
別にいいんだけど…いいんだけど!!
俺は神楽の部屋に隣接してる自室へと向かう。
こんな日は寝るのが一番だ。
俺だって妹の恋路を邪魔する気はないよ。
そう思いきかせベッドへダイブする。
「神楽〜今日泊まっていってもいいだろ?」
「えーでも兄ちゃんが帰ってくるかもしれないネ…うるさいのヨ兄ちゃんは。学校で眼鏡かけろって言ったのも兄ちゃんだし」
「あーでも神楽の素顔は俺だけのもんだからねィ、馬鹿どもには見せませんぜ」
「何ヨ〜私の素顔は最初からそーごだけのモノアル!!」
…ねぇ
なんでこんな会話聞かなきゃいけないわけ?
つかお前らなんでそんなにイチャイチャしてるの!?
これじゃただのバカップルじゃん!!
しかもそーごって奴何!?
神楽の素顔なら俺が一番知ってるし!
神楽は未だに目薬1人でさせないんだぞ!!
だからいつも「兄ちゃ〜ん」って俺の所にきて目薬差し出すんだ!
それで俺があの綺麗な瞳に雫を落としてあげてるんだよ!?
その時の神楽の可愛さが…わかるのかコノヤロォォォォォ!!
「…なぁ神楽、さっきからなんか物音聞こえねェ?」
「気のせいアル!兄ちゃんは夜中にならないと帰ってこないネ。」
「へーそりゃ好都合」
ドサッ
!!
「そーご!駄目アル…兄ちゃん帰ってくるかも…」
「それならそれで構いやせん、お兄さんに見せつけてやりまさァ…」
「や…そーごッ…!」
「神楽…」
ドガッッ!!
「お前ら何やってんの?殺すよ」
俺はとうとう我慢がならず神楽の部屋に乗り込んだ。
「イチャコラするなら外へ行け!!」
END
兄なら総悟を見た瞬間に殺ってそうですね(笑)