夢のもつれ

□母さん
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神威の部屋はかなり大きい部屋だった。

まずドアが二重になっており、絨毯は高級感漂う赤だ。

天井にはシャンデリアが豪勢に垂れている。


改めて神威の地位がどれほどのものなのかを痛感する。




「か、神威ー…?」




だだっ広い室内に神威の姿は見られなかった。

ここにはいないのだろうか?



「…あれ、」


部屋をぐるりと見回していると、奥に一際大きなベッドを見つけた。


そしてそこには…



「…神威?」





大きなベッドに小さくうずくまる体。

よく見れば黒とオレンジのコントラストがうかがえた。



神威はスースーと規則的な寝息をたてて寝ている。



「気持ち良さそうアルなー」


よく見ればコイツ、かなり美形な顔してる。

睫毛は長いし肌色は白いし、脣はふっくらしていて…顔の一つ一つの造作が整っているのだ。



ーー私より綺麗かもナ


ふと、何の気なしに手を伸ばす。


あと数センチ、あと数ミリ…




すると突然神威は私の手を掴んだ。



「え…」


起きてる?

そう思い顔を確認したところ、僅かに口が動くのがわかった。





「母さん…」







 
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