夢のもつれ

□母さん
3ページ/7ページ



****



食事が終わり、部屋に寝転んでいると阿伏兎が不機嫌そうにやってきた。


「何?」

「あの件に嬢ちゃんを連れていくなんざ…お前さん何考えてんだ」


阿伏兎は溜め息をつきながら言った。


「何って…そのまんまだけど?」


「アホか!対談の内容はあの計画の事なんだぞ!?あれを嬢ちゃんに知られちゃ都合が悪いんだよ」


「うん、だからその時は神楽に席を外してもらうから」



「…連れていくのは嬢ちゃんが逃げないようにするためか?」


「……どうだろうね」



くすり、と俺は笑みを浮かべまぶたを閉じた。

阿伏兎はまた溜め息をつき、部屋から出ていったようだ。



「逃げないようにするため…か」



俺は何を手放したくないんだろう、


何に対してこんなに執着しているのだろう?



部屋の明かりがぼんやりと薄れ、俺は意識を手放した。





 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ