夢のもつれ
□母さん
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食事が終わり、部屋に寝転んでいると阿伏兎が不機嫌そうにやってきた。
「何?」
「あの件に嬢ちゃんを連れていくなんざ…お前さん何考えてんだ」
阿伏兎は溜め息をつきながら言った。
「何って…そのまんまだけど?」
「アホか!対談の内容はあの計画の事なんだぞ!?あれを嬢ちゃんに知られちゃ都合が悪いんだよ」
「うん、だからその時は神楽に席を外してもらうから」
「…連れていくのは嬢ちゃんが逃げないようにするためか?」
「……どうだろうね」
くすり、と俺は笑みを浮かべまぶたを閉じた。
阿伏兎はまた溜め息をつき、部屋から出ていったようだ。
「逃げないようにするため…か」
俺は何を手放したくないんだろう、
何に対してこんなに執着しているのだろう?
部屋の明かりがぼんやりと薄れ、俺は意識を手放した。