短編
□アイツの妹
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隣の席の奴がとてつもなくウザい。
その奴は人の気も知らずもふもふと現在進行形で飯を口に入れている。
「はんだひょほっひひてんじゃねーひょっ(なんだよこっち見てんじゃねーよ)」
うわぁ殴りたい。
このムカツクヤローの名前は…神楽?だ。(あまり覚えていない)
奇抜なピンクの頭に変なだて眼鏡。
色は白いかもしれねーけど全然女らしくない。
いわゆる、変な奴。
口を開けば自前の毒舌を叩いてくるし殴るは蹴るはで本当に女?と疑いたくなる。
でも俺と唯一互角にケンカできる奴だ。
ウザいけどな。
はぁ…とため息をつき携帯をチェックした。
と、新着メール一件
「あ」
受信ボックスには「神威」という表示。
神威とは最近ケンカで知り合った仲だ。
面白い奴だったからこうしてメールなどで連絡を取っている。
まぁ内容はケンカの誘いばかりだが…
ぽちぽちと内容をチェックするとそれは意外なものだった。
「今日俺の家に来て。話がある」
メールの内容はこれだけだった。
アイツらしいといえばそれまでだが。
ふと窓を見ると隣のウザい奴と目があった。
「…なんでィこっち見んな」
「そっちが見てんだロ、自意識過剰も大概にするヨロシ」
くそ、可愛くねー奴