短編

□捧げ物
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RIO様\(^_^)(^_^)/

リクエストの3Z兄神沖です♪






「意中の相手のお兄さんは不良高の番長さん」



「おい、また夜兎工の神威が隣町の不良校の番長をボコったらしいぞ」


ぴクッ


神楽は早弁の弁当から目を背け、そう言った男子生徒の所に駆け寄る。


「ソレいつの話アルか」


すると男子生徒は一気に恐怖の目を輝かせた。


何しろこの愛らしい少女、神楽は学校一の怪力娘。以前おしとやかな大和なでしこ、そよにカツアゲをした生徒が神楽によって全治3ヶ月の大怪我を負ったという噂は誰もが知っている。


「あ…えと、昨日ぐらいだと思います…」

「はーっ…またアイツは…」


「ソイツがどうかしたんですかィ。」


「沖田さん!!」

見ると、いつの間にか栗毛の髪をした美少年、沖田が立っていた。


この少年も、神楽に続く凶暴と評判なのだ。何しろ性格がネジ曲がっている。


「す…スミマセンでしたァァァァァ!!!」


男子生徒らはどこかへ行ってしまった。


「何アルか…アイツの事聞こうと思ったのに…」

「ソレって夜兎工の神威の事かい」


んあ?と神楽がめんどくさそうに顔を上げた。


「そうアル、アイツは半端ない馬鹿だからナ。私が面倒見てないと駄目アル!」


神威と随分親しい仲だ、という事を連想させるその言葉に沖田は苛立ちを隠せない。


「…なんだよソレは」


「はァ?」


「お前アイツのなんだっていうんでィ!!」


「何怒ってるアルか?私はアイツの…」


「夜兎工が攻めて来たぞーッッ!!!」


肝心な所を言う前に、先程の男子生徒が廊下で叫んだ。


「またアイツ…!」


「チャイナ!!」


神楽は走りだし、沖田もその後を追った。




「ねぇ、神楽はどこ?」

「は…はいィィィィィッ!!」


「おい番長、そいつ白目向いてるぞ」


夜兎工の番長、神威とその部下、阿伏兎は飄々とした態度で自分たちに向かってくる不良達をなぎ倒していった。

この銀魂高校に来た理由は喧嘩ではないのだが…。



「全く…雑魚どもばかりじゃないか。それより神楽は…」


「神威ィィィィィィィィィ!!!」
ドカッ!!


いきなり神威所同じ、オレンジ頭が神威に飛び蹴りをかましたのだ。

周りは口をあんぐりと開けている。


「イタタ…何すんだヨ。」


「チャイナァァァ!!」


神威はボケるように神楽に蹴られた頭をさすっている。


「こんのバ神威がァァァ!!私の私生活を妨害するなっていつも言ってんだろうが!!」


「ひどいなァ、妨害なんてしたつもりはないよ。それより神楽こそ言い付け破ったんじゃない?」


いくら銀魂高校一の怪力娘であろうと、あの夜兎工の神威に一撃を食らわせ、その上暴言を吐きまくっても神威は逆に面白がっている。


その場にいた全員が二人の関係を疑った。


それはもちろん沖田も同じな訳で…


「ところでさ。」


神威はいきなり深い藍色の瞳を冷たくし、神楽の隣にいる沖田を睨んだ。

誰もが凍りつくような冷たい瞳だが、沖田は神楽が同じ瞳を持っている事に気付く。

それにこの目立つ髪色も…

よく見れば顔立ちもそっくりだ。

まさか…


「君誰?あ、俺は神楽の彼氏の神威だよ♪」


「はぁ!?何ぬかして…」


神威の言葉は沖田の恋心をズタズタに引き裂く。

対象的に神楽は神威に口を押さえられながら怒りを露にしていた。


沖田は静かに口を開く。


「…チャイナ、そいつと上手くやれよ…」


「ああ!?ちょっと待っ…」


またしても神威が口を挟む。


「いやーそんなの君に言われる筋合いないヨ♪つか目障りだから消えてくれないかナ?殺しちゃうゾ♪」


「なーに暴れてんだァ?」

と、そこに来たのは銀髪の見るからにダルそうな教師。


「銀ちゃん!コイツが沖田に変な事吹き込んだのヨ!!」


「はぁ…お前ら、とにかく学校で兄妹喧嘩はヤメロ。」


「は?兄妹!?」


先程まで黙っていた沖田が口を開いた。


「そうアル。コイツは私の馬鹿兄貴ネ。いつも喧嘩して帰ってくるからマミーが心配してるアル!だから私がコイツを監視してたのヨ。」


あはっと神威は笑った。


「てめー…」

沖田は怒りがふつふつとこみ上げ、神威に襲いかかった。


「おや?やるつもり?」


神威が構えた時、


ガシッッ


「「ヤメロ」」


沖田は銀八が、神威は阿伏兎が襟首をつかむ。


「テメーいい加減にしろ!そんなに俺から職を奪いたいのか!?」


「番長ー、ここでやったら俺の卒業が取り消されちまう。」


「ちぇー、…まぁいいや。神楽ー今日のご飯は阿伏兎にお世話になろっか」


「マジか。私オムライス十人前がいいアル!!」


「お前らは俺の財布を砂漠にするつもりかァァァァ!!」


そんな事を言いながら夜兎工生はぞろぞろ帰っていった。

神楽はそれについて行き、神威にいろいろ言っていた。



「いやー沖田くん、あの大食い兄妹を説得するのは大変だろうけど頑張ってねー」


「は!?ちょっと待て銀八…」


ヒラヒラと手を振りながら、銀八はどこかへ行ってしまった。




意中の相手のお兄さん、それはかなりのシスコンであった…




END




いかがでしたでしょうか…

えーという所があれば言って下さい


リクエストありがとうございました!!



RIO様のみお持ち帰り可♪





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