夢のもつれ

□あたたかさ
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「か、神威…?」

「……っ…」



信じられない事が起きている。

あの神威が、私を抱き締めているのだ。



しかも背中に回された腕はふるふると小刻みに震えている。


「……もう嫌なんだ…」


「え…」


何が、と聞く前に神威の口からは聞いた事もないような小さな声音の言葉が漏れる。


「もう…一人は嫌なんだよ…」





一人ーー…




私は考える事もせず、神威の背中に手を添える事もできなかった。

やるせない思いが込み上げる。




「…一人にしたのは…そっちだろ」


神威が微かに動いたのがわかった。

自分の体はいつからこんなに過敏になったんだろう。




「自分が勝手に一人になって皆を傷付けて、皆を苦しめて…それで今さら何言ってるアルか!!なんでいつもお前に振り回されなきゃならないネ!?」



私は思いっきり神威を突き放し、逆方向へ走った。

もう嫌だ、考えたくない。


頭が一気に白くなって何もかもがぐちゃぐちゃになった気がした。






 
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