夢のもつれ
□地球の喧嘩師
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「「あ」」
ばったり、という言葉があまりにもぴったり当てはまるであろう。
片腕とばったりすれ違った。
「…団長に何か用でもあったのか?」
片腕は相変わらずの老け顔で言った。
「別に、大したことじゃないネ」
「お前さんが団長の所へ行くなんざ、よっぽど大したことなんだろうなァ」
あぁ、いらいらする。
なんでコイツはこうも私に突っかかってくるんだ。
私はコイツの考えている事がわからなかった。
吉原の時もそうだが、何故かコイツは他の夜兎とは違う感じがするのだ。
コイツになら、神威の事がわかるかもーー…
「ねぇ、どうして神威は私を春雨に置いておくアル?」
片腕は少し驚いた様で、一瞬目を丸くしたと思ったらすぐにくくっと笑った。
「…兄妹そろって鈍いんだな」
「は?どういう意味ネ」
「まぁお前さんが思ってるよりも団長は遠くにいないって事だ」
「……?」
片腕はじゃーな、と手を振って行ってしまった。
遠くにいない…どういう事だろう。