夢のもつれ

□家族の形
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「神威ぃぃぃぃっ!!!」


「!!」


飛び交う轟音と爆風。

その中から現れたのはーー




「…咲夜」



白い髪を靡かせる咲夜だった。


「…神楽のお兄さん…!?」

「やぁ、また会ったね」


神威は不敵な笑みを浮かべ咲夜を煽った。

(まずい…)


咲夜はふるふると震えている。


「…あなたが…神威…?」


口をわなわなと震えさせ神威に問う咲夜。

「咲夜…黙っててごめんアル。神威は…私の兄貴なのヨ」


「うそ…そんな…」



どうしたらいいか私にはわからない。
咲夜には迷いがあるようだった。


「あー思い出したよ、君」

「神威…?」


神威がその場に似つかわしい能天気な声で言った。


「君、あの薬…?飲んで強くなった白髪の少年の妹でしょ?」


「!」

何を、何を言う気なんだ。


「そうか…だったら君も薬飲んでるんでしょ?是非手合わせしたいな」

「神威!!何言ってるアル!!」



神威は笑みを更に濃くし挑発する。


「…それは…私を殺すって事…」


「そうだね?まぁ前のより強力な薬なんだったらあんたのお兄さんよりはいい勝負になりそうだし」


「……っ」


ぎりりという音が聞こえた気がした。

咲夜を見れば咲夜は震える手で服の中をまさぐっていた。


そしてその手には青い飴玉大のものがあった。


「咲夜…やめるネ…!そんなの飲んだらどうなるか…っ!」

そう言っている間にも咲夜はそれを口に運んでいた。



「咲夜!!」


「…許さない…」







 
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