夢のもつれ

□心の中の歯車
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「兄貴がいるんですかィ」




その場の空気は一瞬にして凍りついた。

星海坊主にてとって娘の兄貴…自分の息子については暗黙の領域だった。


あいつが今どこで何をしているかは噂で耳にする程度で、あの事件からあいつに会ったことはないしもちろん言葉を交わしてもいない。




「…神楽から聞いたのか」



「いえ、直接言ったわけじゃありませんけどねィ、うわごとで兄貴を呼んでたもんで」




ふと、横で寝ている神楽に目をやる。

すると神楽の寝顔が幼い頃の神威と重なった。



まだ、あいつが夜兎に目覚める前…










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