atonement for beautiful sins U

□密会×開始×示唆
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ヨークシン・ドリームオークション!
年に1度開催される世界最大の大競り市!!
10日間の日程中公式の競りだけでも数十兆の金が動く!

そんな正に夢の市場が、今開かれた。


「あーあ、4コーナーでムームーダンスがこなければ、12倍で入ってたんだよなぁ」

活気あふれる市場を、ゴン、キルア、ルイの3人は歩いていた。
上記を洩らしたのはキルアである。

「バクチで一発当てようとするのが間違いなんだよ」

その彼の嘆きに、ゴンが痛いところをつく。
2週間前のあの勝負、どうやらゴンの勝ちで終わったようだ。
キルアは手持ち542万ジェニーから、一度は2億を稼いだもののバクチが外れ、所持金0。
方やゴンは、1万5000ジェニーを稼いでいる。

それをそのくらいなら、空き缶置いただけでも稼げる≠ニ豪語するキルアだが

「勝ちは勝ちだもんね」
とばっさりゴンに切られた。

「まぁ、2人ともはした金だよなー、お前ら一体いくら必要なのかわかってるわけ?」
とそのコントのような彼らのやり取りを聞きつつ、クツクツおかしげに笑っているルイは目にうっすらと涙すら浮かべている。

「むー……、そういうルイはいったいどのくらい稼いだのさ!」
頬を膨らますゴンに、悪い悪い、と彼女は涙をぬぐう。

「これ、やるから。な?」
そう言って、ゴンの方へと通帳を放り投げるルイ。
ゴンがそれを開くと、0がずら、っと並んでいるのが見えた。

「じゅ、10億って……!」
「まぁ、全然タシ≠ノもならねーけど」
それが限界だった、と両手を小さくあげる。

「一体、何して稼いだわけ?」
キルアが怪訝そうに眉根を顰める。

「元手がそれなりにあったからね、あとコネ……、かな」
ルイは妖しく笑った。

「でも、これいいの?」
先ほどと打って変わって申し訳なさそうにゴンはルイを見やる。

「いいよいいよ、どうせ使わねーし。
それにさっきも言ったけど、全然足りないのは確かなんだしさ」

そう、彼らが目指しているものは89億≠セ。

「そういや、レオリオとクラピカは?」
確か、来る予定だったよな、と思い出したようにルイは問いかける。

「レオリアは午後に来るって。クラピカは昨日から来てるみたいだけど、
仕事中だから時間撮れないかもって。空いたら連絡くれるらしいから、キルア、携帯お願い」

ゴンがそれに応え、連絡があるかもしれない、とキルアにそう告げておく。

「おっけ」
そうキルアは頷くが

「お前も携帯買えよ! ハンターの必需品だろ!!」
とゴンの額を小突いた。

「あ、そうだった」
と、そこをさすりながら、ゴンが言えば、一行は、携帯ショップを目指すことにした。


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