atonement for beautiful sins

□出会い×嵐×ドタバタっ
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ピカッ!! 夜……。船長の予言通り、船は揺れて揺れて……。

これは、もう立派な嵐だった。


「取り舵いっぱーい!! 揺れるぞ。つかまれぇい」

船長さん……。楽しそうにそう言ってますが……。
大丈夫です。
船はもうしっかり揺れています!!



朝、昨夜の嵐が嘘のように今は穏やかである。


「どうだ? 今年の客は」

船長は船員に声をかける。

そして、船員はさも当たり前のように答える。

「例年通り全滅です!!」

「やはりな。
これでハンターになろうっていうもんだから、なさけねぇ」


♢♦♢


「ふわ〜〜〜。……ゴン、おはよ」

背伸びをしながら、ルイは起きてきた。

「おはよう。ルイ」

ゴンは、水を運んだり薬草を運んだりせわしなく動いていた。
昨夜の嵐で気分を悪くした人に手厚い手当をしているのだ。


「代わろうか、ゴン。十分寝てないんじゃないの?」


その様子を見て、心配したルイ。
彼女は、ゴンが他人のためにそこまでする必要はない
と想っているのだが、ゴンの性分を理解はしてるので
飽くまで、代わろうと提案してゴンを休ませようとしているのだ。

「大丈夫だよ、ルイ」

しかし、ゴンは元気なようであっさりと断る。

「ホント?」
「うん」
「んじゃ手伝ってあげる」
「ありがと」


昨夜の嵐で無事なのは、ゴンとルイは言うまでもなく。

それから、ハンモックで寝ている……、10代後半に見える人と

本を読んでへらへら笑っている男の人の計4人であった。

「ほぉう。今年はちょっと骨のある奴もいるんだな」

船長は顎をさすりながら一言呟いた。


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