atonement for beautiful sins

□試験?!×旅立ち×出航
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―出航日

「ゴン!!」
出発しようとしていた彼を誰かが呼び止めた。

「ルイ!」

ここでの本名はルイート。
浅葱色の髪は肩より少し長いロングで低い位置で括っている。
女だが中性的にみえるためか島では男女ともに人気がある。
また、本人も人嫌いがなく、自分に好意的な人であれば
誰彼かまわず付き合ってしまう。


「結局今日まで何も言わなかったな」

「え??」

「惚けるな。ハンター試験。オレも受けるからな」

「え?!」

「ミトに頼まれたの」

「えぇ?!」

……ゴン……。「え」、しか言ってないよ……。
と、いう思いを彼女は無視する。


「ホントに?」

「そうだよ。因みに、もう決定事項だから。じゃあ行こうか」

「ゴン! ルイ!」

「「ミトさん
  ミト   」」

ゴンとルイはミトの声に反応して同時に振りむく。


「ゴン。ごめんなさい。私……、ウソついちゃった。
ジンがゴンを捨てたんじゃないの。私があなたの養育権とったの」

「うん。嘘だって気づいてた。
だってミトさんオレにウソつくときオレの顔見ないもん」

そして別れの抱擁。

ルイも、ミトに抱きつき
「今までありがと。心配は要らないよ。
信じて見送ってほしい」
「ルイ……」


♢♦♢


―二人は船に乗り……。

「「ミトさん
  ミト   」」

二人は彼女に手を振る。

「元気でー。絶対立派なハンターになって戻ってくるから!!」
ゴンは思いっきり叫んだ。

そのあと二人は島が小さくなるまで見ていた。


すると後ろからクック、と笑い声。その声に気づき振りかえると
「立派なハンターねぇ……。なめられたもんだぜ、ボウズ。
この船だけでハンター志望者何人いると思ってんだ?
お前らみたいなガキが滅多な……、グワッ」

冗弁に語っていた男がいきなり腹を押さえしゃがみこむ。

「じゃっ。そのガキにけられて倒れ込むジジィは一体何なんだよ。
テメェこそハンターむいてねぇよ」

ルイが睨んで言う。


「ルイっ!!」
ゴンが慌てているが

「何?」

しかし当の本人は何食わぬ顔。
男は痛みから回復してふん、と負けずに虚勢を張りどこかへ行ってしまう。


「う、ううん。行こっか」


―こうして、ゴンとルイの旅が始まる。

「荒れるな」
船長の独り言が2人の耳にいつまでも残った。


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