■過去拍手文置き場

□■きっと、みんな、そんな気持ち■
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■きっと、みんな、そんな気持ち■


「気を付けてね」
別の任務に向かう同僚。
送り出す背中に、声をかけるようになったのは、いつからだろう。

「気を付けてな」
気付けば、今では、言い始めた自分以外のソルジャーも
仲間に声を、かけるようになっていた。













『状況終了!負傷者多数!!救護班を待機させてくれ!』
ひっ迫した、アンジールの声で、通信が入る。

『了解!』
通信終了とともに、思わず、立ち上がった。

ウータイ軍の放ったベヒーモスの群れを、掃討するための、
大がかりなミッション。
動きも早く、自己回復もする。連携して攻撃も仕掛けてくるベヒーモスに、
かなりの苦戦を強いられている。

・・・大丈夫かな。セフィロスに限って、大丈夫、だろうけど。

セフィロスは、先陣を切って切り込む傾向がある。
作戦前も、それで、ケンカをし、お互い、背を向けたまま、出動してしまった。

通信での、アンジールの様子に、少しだけ、不安になる。

「自分、救護班のサポートに行ってきますね」
今居る本隊を指揮しているジェネシスに声をかけると、
「任せたよ」
ジェネシスは、頷いて敬礼した。



分隊に合流するために、救護班の護衛に付く。
目指す前方に、不穏な土煙。

・・・大丈夫かな。大丈夫だろうけど。
今思えば、アンジールに、一言、確認すればよかった。
いや、でも、

と、頭の中でうろうろしていると、

ドウンッ!!!
13時の方向に、大きな土煙が上がった。

「新手!?」
と、剣を構え、目を凝らす。

「あ・・・」
大きなベヒーモスに、レザーのコートを翻し、斬りかかる姿。
「・・・元気じゃん・・・」
ほっとしながらも、あまりの動きのキレの良さに、
「そりゃぁ、ま、大丈夫だよね」
と、感心した。



離れている時間は、無茶な戦いをしてないか、心配だ。


それ以来、どんなに怒っていても、ケンカした直後でも、

お願いだから、怪我しないでね。ちゃんと帰ってきてね。
そんな気持ちを伝えるために、
「気を付けてね」と、
声をかける。










「おい。」
思い出に浸っていると、不意に、セフィロスの声が降ってくる。

「はいっ」
我に返る。
ぱぱっ。と、自分の装備を確認し、立ち上がり、敬礼する。
今日は、1stと同じ指揮官級で、別働する。

「気を、付けろよ。」

「了解です」




オワリ 拍手、ありがとうございました♥  2014.1.28 icenine

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