■過去拍手文置き場

□■黒くてレザー
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・・・あー、疲れた。早く終わんないかな。

任務の最中、物陰に身をひそめながら、思う。




ウータイの野営地に入り、装備、隊の規模を調べる、諜報作業。

・・・こんなの、調査部の仕事でしょ。まったく。

思わず、声に出しそうなボヤキを、慌てて、飲みこむ。



・・・あー、腰イタイ。

車両の隙間。
不自然な体勢を、長時間つ続けているせいで、体のあちこちが、痛む。

・・・早く帰りたいなー。

ひそかに、ため息。

・・・早く帰って・・・

家で待っている、レザーの匂いを思い出し、頬が緩む。







・・・?、動きあり、かな?

一緒に任務にあたっている、ザックスとカンセルの搖動が、始まったらしい。

人の動きが、活発になる。

・・・でも、まだ出れないなー。

野営地に人が少なくなった頃合いを見て、動くことになっている。

・・・あー、帰りたい。






しっかりとした、弾力を思い出し、にや、と口の端が、上がる。
レザーの感触は、つるつるしていて、気持ちいい。
あの、匂いも、好き。

硬めのアレを、ぎゅ、と、抱きしめると、すごく、安心する。

・・・やば。まじで帰りたい。

思い出すと、退屈のあまり、切なささえ覚える。


少し硬めの、あれを抱きかかえ、寝転がって、頭をぐりぐりと、
押し付けるところを、想像する。
えへ。

思わず、笑みがこぼれる。






ウータイの、一個隊が、走り去っていく。

「よしっ、いくかな?」


車両の隙間から、するりと、抜け出す。

「ちゃっちゃと、終わらせよっと」











「お疲れ様でしたー」






ふう。と、一息つき、自室のドアを開ける。
「ふふふ〜」

緩んだ顔で、鞄を置く。

「とぉ〜」
浮かれた声で、黒いレザーに向かって、ダイブする。

セフィロスと色違いの、黒い、レザーのソファ。
全体的に、硬め。
しかも、付属のクッションは、人肌(人からだ)の弾力で、妙に、抱きがいがある。

「癒される〜」
ぐりぐりと、肘掛けに頭をこすりつける。

「たまらん〜」








セフィロスに会えない日、このソファ、大枚はたいて、買って、本当によかった、と、
クッションを抱きしめながら、思うのであった・・・・


<オワリ>





拍手、ありがとうございました♥ icenine

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