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□些細な復讐心
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「あ、いたいた。静雄さーん!」
探していた人物をやっと見つけ、大きな声で叫ぶ。通りの向こう側を歩いていた静雄さんはこっちに気づき、手を振ってくれた。
「おう、どうした、三好。今日帰るんじゃなかったのか?」
「はい。そのつもりなんですけど、その前に友人のところに寄っていかなきゃならなくて……」
「へえ、そうなのか。飛行機の時間もあるんだろ?急がねえとまずいんじゃねえのか?」
「そうなんですけど、その人に静雄さんのこと紹介したくて。一緒に来てくれませんか?」
にっこりと笑って言えば、静雄さんは困ったように眉を下げた。
「あー、言ってやりてえのは山々なんだがな。俺も仕事が……」
その言葉を遮ったのはトムさんだった。
「いいじゃねえか、行ってやれよ静雄」
「トムさん。でも……」
「なに、あとは俺一人でもなんとかなるって。可愛い後輩の頼みだ。聞いてやれよ」
後輩、という言葉に動かされたのか、すんませんトムさん、と頭を下げながらもついてきてくれることになった。
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