【 99本の赤い薔薇 】

□【0本の薔薇:プロローグ】
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この世界は、2つの世界で成り立っていると言われている。

1つは、魔法使いや魔女、魔法生物達が住むとされている“魔法界”。

もう1つは、魔法を使えない一般人が住むとされている“マグル界”だ。


しかし、実はこの2つの世界の“間”に、“もう1つの世界”が存在するという話があった。

その世界は、“魔法界のある一族”が創り出したものであり、“奇跡の薔薇咲く箱庭”と呼ばれていた。


ソコは、その一族と魔法生物、自然の生き物達のみが住むという特別で神聖な場所であった。

魔法界の人間達は、彼等一族に認められた者でなければ、その地に足を踏み入れることは出来なかったという。

勿論、マグル界の人間達は、そのような世界があることを知る由(よし)もない…。


その一族は、魔法界で知らない者はいないというほど、その名を轟(とどろ)かせていた。

長い歴史を持ち、最も尊ぶべき存在だと謳われている、謎多き最大名家なのである。

『魔法界の秩序を司(つかさど)る一族』や『光と闇を統べる魔法王』などと呼ばれ、畏敬の念を抱かれていた。


何者にも屈しず、何事にも不可能はない、誇り高き一族。

家族を何よりも大切にし、愛や生命、絆を重んじる。


そんな彼等一族の名は―。






【0本の薔薇:プロローグ】 ―泣かないで、魔法をかけてあげよう―



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