*物語集*
□あなたからの記憶2-1
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「・・・・・・はっ?」
いったい何が起こったというのだろう。転んだにしては倒れ方がおかしすぎる。
虎太郎は必死になって頭をフル回転させる。
自分がよそ見をしたがためにこのいたいけな(?)少女にぶつかってしまった。自分に非があることに変わりはないが・・・。
「(そんなに打ち所が悪くなるような場面だったか〜?!)」
目撃者が多かったせいか騒ぎが広がってきているうえ、声をかけるも起きる気配がない。
暑くもないのに、汗がしたたる。
そんなこんなで虎太郎が焦っている間に誰かが呼んだのだろう。
けたたましいサイレンの音を響かせながら、救急車がこちらへむかってきた。
「どうされました?」
冷静に聞かれるから、虎太郎も我に返る。
ある程度の状況を話している間も、後ろでは素早く少女を救急車に乗せている。
虎太郎が一番関わっているため、もちろん彼が同伴するわけだ。
車内で座って待ってると次々と作業が進められる。
「ここからだと東暁病院ですね。」
「心拍・呼吸ともに正常です。」
「手持ちの荷物はないんですか?」
目の前で言葉が飛びかう。