ノーマルCP
□君の前では
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君の前では
『この船の船大工、このフランキーが引き受けた』
そう言って麦わらの一味に入った俺だが、エニエスロビーでニコ・ロビンとこいつらの絆には本当に心動かされた。
麦わらを中心としてまとまったこいつらは、仲間のために世界政府に喧嘩が売れるんだ。
特に船長の麦わらはとんだむちゃくちゃ野郎だった。
世界政府の旗を打ち抜かせたり、CP9のリーダーを倒したり、今までこんなこと聞いたこともない。
この海賊団は、今まで見てきたどの海賊団とも違う。
どう説明したらいいのかわからねぇが、それでも、ここはものすごく居心地がよくて、俺には少しもったいないような気もするが、それでも、俺はここがやっぱり好きなんだ。
そして、俺は気になってる奴が一人いる。
そうだ、ニコ・ロビンだ。
あいつのことはトムさんから聞いていたが、本人直接会って、世界がどういう見方をしてきたのかがよくわかった。
そして、こいつはずっと孤独の中で生きてきた。
辛くて苦しくて、どうしようもないのに、ここまで生きてきた。
逃げ出したいと何度思ったんだろうな。
でも、こいつも出会っちまったんだ、この一味にな。
今日も賑やかなこの船の上で、あいつは笑っている。
それだけで俺も笑ってる。
そう、本人の前では決して口にはできない言葉を心に持って・・・