ZS小説

□紺海のagitto
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 何かに呼ばれて目を開けると、視界いっぱいにゾロの顔があった。


「うおっ」
「やっと目が覚めたか」
「なんだ、俺は寝てたのか」
「何度起こしても起きねぇから、無理させ過ぎたかと、焦ったじゃねえか」


 安心したと、ゾロがごろっと床に寝転がる。
 俺は眠っていた間の記憶がすっぽりなくなっていた。
 何か大切なことだったような気もするけれど、思い出そうとしても全く思い出せず、煙草に火をつけて紫煙を吐き出す。
 煙と一緒に抜け出ていったのは、気だるさともの寂しさだった。


「なあ、ゾロ」
「んあ?」
「好きだぜ」
「なっ!」


 ゾロの驚いた顔が面白くて、俺はそのままゾロにキスをした。
 更に驚いた顔のゾロが、俺の頭を掴んで深く口づけてきたので、それを受け入れて俺はまた密な時間を過ごすことになる。
 それはきっと、俺が望んだことだから、幸せという言葉に繋がるんだろう。
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