Don't Look Back

□夏がわった
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あれから私は無事に退院し、再び立海での生活を始めた。


私が入院している間に先輩達や赤也が弁解してくれたようで、人とすれ違う度に謝られた。


陰湿なイジメなんか無くて、本当に花音が入ってくる前の状態に戻った。



…そう、驚いたことが2つある。


1つは、立海テニス部のマネージャーを辞めなくてよくなったこと。

一応挨拶をしておこうと思って監督の所へ行ったら、真っ青な顔で「すまなかった。これからもよろしく頼む」と言われて、流石に驚いた。


どうやら聞いた話によると、幸村部長が一対一で話を付けてくれたらしい。


その説得がどのようなものだったかは置いといて、とにもかくにも私は全国大会までテニス部マネージャーを続けられることになったのだ。



そして2つめ。


仁王先輩に、告白された。

もちろん先輩の気持ちには応えられなかったけど、実は私が入部してすぐの頃から好きだったということを聞いて、本当に驚いた。




あっという間に1学期が終わり、夏休み。


この休みが明けたら私はもう立海生ではいられなくなる、と考えたら、終業式なのに泣きそうになってしまった。


夏休みに入り、テニス部はいよいよ本格的に全国大会へ進出した。


王者の名に恥じない試合を進め、セミファイナルでは青学との死闘の末、勝利した。


…ちなみに、その試合では青学の皆さんが全員揃って謝りに来てくれた。

もちろん、そこで青学の皆さんとは和解できた。




さて、立海は順調に決勝に駒を進めたわけだが、

私たちの決勝の相手は、四天宝寺との対戦の末勝利した、氷帝だった。











───………

決勝当日。

入念なミーティングの後、とうとう決勝戦が幕を開けた。



第1試合のD2は、仁王先輩と真田先輩のダブルス。

相手はジロー先輩と向日さん。



ジロー先輩のボレーと向日さんのムーンサルトに1度は圧されたものの、仁王先輩のイリュージョンと副部長の風林火山が効き、なんとか1試合先取した。





続いて第2試合、D1。

丸井先輩とジャッカル先輩の定番ダブルスに、宍戸さんと長太郎くんの、これまた定番ダブルスがぶつかった。


序盤からパワーリストを外して本調子な丸井ジャッカルペアは、2人をどんどん追い詰めていった。



しかし何と、追い詰められた宍戸さんと長太郎くんペアが、シンクロしたのだ。


結果、シンクロには適わず、立海が負けてしまった。


丸井先輩達は、シンクロしたペアに負けるのが黄金ペアの時と2回目だったから、とても悔しがっていた。


…が、全国大会後の自主練習中に2人がシンクロを会得したのは、ここだけの話。






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