不思議な国の時間割
□時
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〜4時間目U〜
切「う、嘘だ…」
幸「……ごめん…っ」
岸に上がって真田がアウトになったことを伝えると、皆愕然とした。
柳「そうか…弦一郎が…」
切「…俺、尚更6時間目までクリアしなくちゃいけないっス」
生「切原くん…」
赤也……強くなったな。
…情けない、俺とは大違いだ。
ア「…時間もありませんので、映像を流します」
アリスは4の面に鍵を刺した。
〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜
バシンッ
『っ、やめて…っ、』
ジャ「口答えすんじゃねえ」
ドゴッ
『私、やってない…!』
生「明梨さんは泣いているんですよ…可哀想に」
ガンッ
『っ、ゴホッ!!』
少女に暴力を振るうテニス部メンバー。
俺も止めずに傍観をしている。
丸「っ、お前ら何やってんだよ!!」
助けに入ったのは、やはり丸井だった。
丸「…っ、幸村くん!なんで止めねぇんだ!!」
幸「……」
丸「なぁっ、何でなんだよ!」
幸「何のことだい?」
次の瞬間、丸井から発せられた言葉は、俺の思考を停止させた。
丸「お前、こいつが…万南のことが好きなんじゃねぇのかよ…っ!!」
幸「…っ」
…そんな、まさか…
俺は恋した相手が苦しんでいるのを見て見ぬふりをしていたのか…!?
仁「…それはホンマか?…幸村」
「…あぁ、本当さ」
『…っ!!』
すると丸井は俺の胸ぐらに掴みかかって叫んだ。
丸「好きな奴は、守るべきだろぃ!?幸村くん、なんかおかしいぜぃ!?前の幸村くんならこんなこと、絶対にしなかった!!」
しかし俺は、そんな丸井に対して冷静に言い返した。
幸「…たしかに、俺は万南が好きだ…しかし、俺は彼女に裏切られたんだ。信じていたのに、部を乱した」
丸「な……っ!!」
幸「丸井に、この気持ちはわからないさ」
一瞬驚いた顔をした丸井だが、すぐに手を離した。
丸「…よーく分かった。お前らはもう、救いようがないってな…」
丸井はそう言い捨てると、万南の手を引いて出口に向かった。
しかし一度振り返って、
丸「幸村くん、ホントは万南のこと好きじゃなかったんだよ、きっと」
そう言うと、今度こそ部室から出ていった。
〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜
丸「……こんなことが、あったのか…?」
幸「…全然、思い出せないや…」
…くそっ、もどかしすぎる。
何で思い出せないんだ…
ただ、万南…とても懐かしい響きだ。
…俺は、彼女のことが好き、だった。
そして、きっと丸井も…
キーンコーン カーンコーン…―
ア「…さぁ、着きましたよ」
考え事をしていたからか、全然気が付かなかった。
目の前には最初に見たらしきらしき城が広がっていた。
ア「…さて、いよいよ5時間の課題をはじめましょうか…」
アリスの声に、皆武器をかまえて立った。
〜4時間目U 終了〜
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