不思議な国の時間割

□時
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〜3時間目U〜








ドカッ!

ガッ!

バキッ!




切「くそっ、オラッ!!」

ジャ「まだいるのか…っ!」



俺たちも悪戦苦闘していた。



柳「残り20強といったところか…」

幸「結構いるね……ハッ!」

バキッ


いくら倒してもなかなか減らない。

そんな敵に、俺たちは少しストレスのような物を感じた。



切「うわ…っ!!」

幸「赤也っ!?」



しかし、赤也がバランスを崩して転倒してしまった。

しかも運悪く、敵に囲まれる形になってしまったのだ。


あいにく、今回はクリアボールも配られていない。




ジャ「…っ、赤也!!」



普段の赤也なら、すぐに殴り返してこの場を打破するのだろう。

しかし緊張と焦りからか、いつまでも動けずにいた。


そんな中、1匹のカンガルーが赤也に向かって手を振り上げた。




切「……っ!!」


俺達も、あまりに一瞬のことで動けずにいた。


―もう、だめだ…―


そう思ったその時…




ドンッ


切「ぉわっ…!」




パァン!!





風船が、割れる音がした。




恐る恐る瞑っていた目を開く


切「…あれ…?」


赤也の風船は、割れていなかった。


しかし…



柳「…っ、ジャッカル…!」


ジャッカルの風船がなくなっていた。




切「…ジャッカル…先輩?」

ジャ「っ、アウトか…すまねぇ、皆」



自らの危険を顧みず赤也を突き飛ばしたジャッカルは、情けなさそうに笑った。



幸「…ジャッカル…」

ジャ「幸村…後は頼んだぜ」

切「そんな…っ」

ジャ「赤也、あんま思い詰めんなよ。俺は自分の意志でお前を守ったんだ。アウトになんか、なるんじゃねぇぞ」



そう言ったジャッカルの体は、光に包まれ、そして…消えた。




幸「…っ、ジャッカル!!」


ふと赤也の方を見れば、脱力したようにうなだれていた。


…まずい。

赤也が敵に囲まれている状況に変わりはないのだ。




幸「赤也っ、しっかりしろ!」


声をかけると、赤也はゆっくり顔を上げた。

しかしその顔は…否、その目は赤く染まっていた。



切「ひゃーっひゃっひゃっひゃっ!!

どいつもこいつも、ぶっ潰してやるぜっ!!



赤目モードの赤也は、目にも留まらぬ早さで敵を次々と倒した。



柳「……赤也…」



そしてそれから数分。


カンガルーは、全て消滅した。




ア「…3時間目、終了…ですかね」


アリスの声は、その空間によく響いた。







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