不思議な国の時間割
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〜2時間目T〜
アリスに連れて来られてたどり着いたのは、噴水広場だった。
幸「ここで次の課題を…?」
ア「はい。では2時間目の課題を発表します。『向ってくる敵を素手で倒す』です」
真「敵…だと?」
ア「そうです。ホルシア」
ホ「ラジャー」
ホルシアは一枚のプレートを取り出した。
そのプレートには、一匹のカンガルーが描かれていた。
ア「これが敵の姿です」
切「素手でって、パンチとかキックってことか?」
ア「そうです。1人につき5匹がノルマになります。それが出来なければ課題失敗でゲームオーバーです」
仁「なるほどのぅ…例えばそこら辺に落ちとるパイプなんかを使ってもアウトなんか?」
ア「そうですね。素手が原則ですから。…しかし、最後の手段として、1人1個この“クリアボール”を配ります」
柳「クリアボール?」
ホ「これを標的に当てると、約半日ほど消えるんだ」
ホルシアはクリアボールを広場にあるオブジェに投げつけた。
するとオブジェはあっという間に姿を消した。
ジャ「なるほどな」
丸「倒したカンガルーはどうなるんだ?」
ア「消滅します。逆に言うと、消えなければ倒したことになりません」
ホ「カンガルーの胸元にあるメーターがダメージを表しているから、それが満タンになれば消滅するんだ」
アリスは懐中時計を取り出した。
ア「もうそろそろ授業開始ですね…」
キーンコーン カーンコーン…─
ア「…さぁ、授業開始です」
チャイムと同時に、プレートで見たカンガルーが大量に飛び出してきた。
丸「うわっ、来た!」
切「多くないっスか!?」
真「…考えている暇はあるまい。行くぞ!」
「「イエッサー!!」」
真「王者立海の意地を見せるんだ!」
真田の掛け声に皆走りだした。
幸「…っ、はっ!!」
俺は一番近くにいたカンガルーを一発殴った。
すると思いの外一発のダメージは大きいようで、3、4発ほどで消滅した。
これなら、いけそうだ。
他の奴らも問題はないだろう。
俺はあと3匹を一気に倒した。
丸「なぁ、幸村くん」
幸「っと、何?丸井」
丸「これって、俺らは殴られても平気なのか?」
…そうだな…
アリスに聞こう。
幸「ねぇ、アリス…」
アリスの方を向いた瞬間、時が止まったように感じた。
幸「……アリス…?」
彼女は、今にも泣きそうな表情をしていた。
俺はそれに気をとられ、背後から襲ってくるカンガルーに気が付かなかった。
丸「…っ!幸村くん危ねぇっ!」
幸「えっ……」
振り向くと、カンガルーが俺に飛び掛かろうとしていた。
しかし、俺は突然のことにその場から一歩も動けなかった。
〜2時間目T 終了〜
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