A Battle In AnotherWorld

□-異世界からの転校生U-
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Epic16



〜*〜Side丸井〜*〜*〜


―あれから1年が経った。

“あれ”とは言わずもがな、万南が俺たちの前から姿を消した、あの日だ。


1年経ち、1ヶ月前に入学式を終えた俺たちは立海大附属高校の1年生になっていた。


俺たちは何の刺激もない日々を送った。


1年前のあの日の翌日から、万南達が現れる前の生活に戻った。


……そう、戻ったんだ。


翌日から“柏木万南”と“夢丘鈴奈”が存在していたことすら、なかったことになっていた。


ただ、幸か不幸かテニス部のレギュラーと未咲、いわゆるあの日2人の最期を見届けた数人だけは2人のことを鮮明に覚えていた。




未咲「もう、あれから1年かぁ〜…」

丸「ばばくさいな、お前」

未咲「失敬な。喧嘩売ってるの?」

丸「ははっ、冗談だよ!」



今年も去年同様クラスメイトになった未咲と話をしていたら、後ろから声が聞こえた。



幸「2人共、楽しそうだね」

丸「おぉ、幸村くん」


今年は同じクラスになった幸村くんが来た。


幸「何話してたの?」

未咲「いや、あれからもう1年経ったんだねって

幸「…あぁ、もうそんなに経ったのか」


幸村くんも、どこか懐かしげに呟いた。



未咲「あっ、そういえば、今日転校生が来るらしいよ」

丸「転校生?」


1学期が始まって1ヶ月という中途半端な時期の転校生。

それは1年経っても忘れられない、アイツを思い出させた。


幸「転校生か…そういえば確か、万南が転校してきたあの日も、こんな晴れた日だったよね」

未咲「うん…万南がいないなんて未だに信じられないよ」



しみじみと話す俺たちをよそに、今年も担任であるまっすーが元気よく教室に入ってきた。



増「よぉーし、HR始めるぞ!!」


いつにも増して元気なまっすー。

このテンションはまるで、万南が転校してきたときのテンションそのものだった。



増「皆喜べ!今日は新しいクラスメイトを紹介する!!さぁ、入れ!」


まっすーの言葉の後に、教室のドアが開いた。

教室は一瞬にして静まる。

しかし、俺は…いや、未咲も幸村くんも、入ってきた人物に目を疑った。



『転校してきました、桐原万南です。よろしくお願いします』


………嘘…だろぃ

丸「……万南…?」

未咲「っ、万南っ!!」

幸「本当に、万南…なのかい…?」


そこに立っていたのは、紛れもないアイツ。


万南が…帰ってきた。





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