誇り高きシンドリアの梟

□お菓子作り
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「ねぇ、ラフィを見なかった?」



黒秤塔に来たはいいが肝心のラフィの姿が見当たらない

他と比べ色素が薄いカナリア色は何処にいても目立つ

でも、その色はこの部屋では見つけられなかった



「ラフィ様…ですか?」

「ええ、資料を取りに向かわせたのだけれど帰ってこないのよね見ませんでしたか?」

「おい、お前見たか?」

「いや、俺さっき来たばかりだし」



書の整理をしていた文官に聞くも帰ってくる答えは期待するほどのものではなかった



「ラフィ様なら食客のモルジアナ様と調理室へ向かわれましたよ」

「調理室?ありがとうピピリカ!」



欲しかった答えをくれたのはピピリカだった

それにしても何で調理室なんかに……







「う、うーん上手くいかないな」

「何がいけないんでしょうか……」

「ラフィ君はお使いの一つも出来ない馬鹿弟子なのかい?」

「あ、ししょー!」



大型犬が飼い主を見つけた時と同じ反応をする

だめだ、怒る気にならない……

それにしてもこの匂い



「なに?チョコレートでも焦がしたの?」

「あ、そうだ!聞いてくださいよししょ〜」

「情けない声出さない!」



ファナリスの女の子モルジアナの傍まで行けば

火に掛かったままの鍋は既に沸騰してお湯になってる

中身をのぞいて唖然とした
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