誇り高きシンドリアの梟

□記憶
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「運命を呪うなら、お前を連れて行ってやろう」



血の匂いが鼻を掠める

小さな家は壁という壁に血がベットリとこびり付いている

見覚えのある男の傍には事切れた父親

これは……私の過去なんだ……

でも、あの人が話してたのとは大分違う

どちらが本当なのだろうか?

ボーっとそんなことを考える

小さな私は差し出された彼の手を取る

初めて知った他人のぬくもり、愛情

結局私は彼の望む通りの人間にはなれなかった

出来損ないだと昔烏に言われた

その通りだ
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