俺×ヒノエ

□例えようのない愛おしさ
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「海翠君とヒノエ君ってまるで兄弟みたいだよね〜」
「そう、だな」
「九郎?」


景時の言葉に九郎は苛立ちを含んだ声でそう返す
不審に思い弁慶は彼の名を呼ぶも届かなかったのか彼は部屋を出て行った


「如何したんだろう?大丈夫かな??」
「さぁ、余計な行動を取らなければいいのですがね……」
「あ、弁慶さん、景時さん、九郎さん見ませんでしたか?」


入れ違いで入ってきた望美に2人は苦笑いを浮かべて
先程出て行ってしまった事を話した


「修行に付き合ってくれるって約束したのにー」
「センパーイ俺で良かったら付き合いますよ?」


名乗りでたのは未だにヒノエにひっついたままの海翠だった


「ホント!あ、でもお邪魔じゃない?」
「ヒーお兄ちゃんに構ってもらってただけだからへーき」
「お前みたいな変態な弟は欲しくないっ!」
「えーお兄ちゃん酷ーい」
「気持ちわりぃーンだよっ」


弁慶と景時の会話を聞いていたのか
ふざけてそう言う海翠にヒノエもふざけて応対する


「猫がじゃれあってる…可愛いっ」
「え、先輩その例えは酷くないっすか?」


ヒノエに構う手を止めてそう突っ込む海翠に望美は綺麗な笑顔を浮かべて「酷くないよ」と言い放った


「あーでも俺槍なんすけど、平気っすか?」
「大丈夫だよ戦場だと刀だけじゃないからね、それと手加減したらダメだからね!」
「怪我しない程度に、いざっ」
「尋常に勝負!」


刃を交わらせる音が庭に響く
望美の出す攻撃を海翠の操る槍で流すも些か押されている


「剣舞を見てる様ですね」
「うん!海翠も神子もどっちも、綺麗…だね」
「そこだ!!」
「うわっ!?」


望美の鋭い一撃に態勢を崩す海翠
手から槍が弾け飛びさくっと地面に突きささった
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