俺×ヒノエ

□罪-ツミ-
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「あっ!」


譲の拍子抜けした声と何かが割れる音が台所から聴こえた


「譲んぱどしたー?」
「やっちゃったよ……」
「あれ?食器割ったの??」
「あぁ、俺のだったら良かったんだけどこれヒノエのだ」
「ヒノエちゃん……?」


綺麗に割れた紅葉の葉が描かれた茶碗を見て何か嫌な予感がした


「もう、帰るんですか?」
「あ、弁慶!ヒノエちゃん何処行ったか知らない?」
「ヒノエ…ですか?」
「うん」
「さぁ?朝餉の後出かけたきりですが」
「け、携帯は?繋がる?」


慌てた海翠の様子に何かを察し弁慶は携帯を取り出しアドレス帳を開き
其処に登録されている“ヒノエ”という文字から携帯の番号を引っ張り出し通話ボタンを押す
無機質なコールが鼓膜をゆする


「出ませんね…急ぎの用事なんですか?」
「違う…けど、嫌な予感がするんだ……」


その言葉と同時に今度は海翠の携帯がなった


「メール?」


知らないアドレスからだった
メールを開封する
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