俺×ヒノエ
□末摘花
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「ヒノエ?難しい顔してますがどうかしましたか?」
「別に、そういや今日、海翠は?」
其れほど難しい顔をしていたのだろうか?
どっから現れたのか弁慶が俺にそう尋ねる
素気なくかえして、ふと、朝餉のあとから姿を見てない海翠の所在を聞いた
「海翠…くんですか?彼なら将臣君と市へ行きましたけど」
「ふーん、そう」
居なくて清々してる筈なのに
海翠が他の奴と一緒にいると言う事実が酷く面白くない
「朝咲き夕は消ぬる月草の消ぬべき恋も我はるかも」
(朝咲き、夕方には萎んで散ってしまう月草、成就の見込みもない恋をしてるのでは?)
「なに?喧嘩売ってるの?」
「ふふ、まさか、そろそろ気持ちにケジメを付けないと誰かに横取りされますよ」
「何の事だよ!」
「さて、何のことでしょうね」