俺×ヒノエ
□紅色の天使
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そして季節は、美しい桜が舞う春
戦なんて嘘の様に穏やかな時間が過ぎる
とある日の昼下がり海翠は弁慶と市へと出向いていた
「あとは、あ其処で油を買っておしまいです……海翠…くん?」
ふ、と、隣に居る筈の人物に声を掛けるも
いつの間にか其処に居た少年は姿を消していた
「綺麗だなぁ……」
ヒラヒラと宙を舞いながら落ちる桜を眺めながら
海翠は舗装された道を歩く
ふ、と、気がつくと知らない場所に出ていた
「あり?何処だ此処??」
火災でもあったのだろうか所々焼け落ちた家屋が見られる
まだ、きな臭さののこる通りを眺めながら歩いているとドンッと何かにぶつかった