誇り高きシンドリアの梟

□すれ違い
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「入れ」



扉をノックすれば優しい声が聞こえた

珍しくまじめに仕事してる



「失礼します」



一言断りを入れて中に入る



「如何した?不憫でもあったか?」

「あーいえ、差し入れです」

「??」

 

そう言ってチョコレートの入った器を机の上に置く



「可愛いなハートか?」

「うっさい、形がそれしかなかったの」



くすくすと笑ってシンは一つ食べる

まぁ、余計なものは入れてないから美味しいはず



「柑橘系のジャムか何か入れたか?」

「オレンジのジャムは入れたけど。。。お、美味しくなかった?」

「いや、美味しいよ」



そう言ってふわりと笑う

ああ、この王様スマイルに世の女性は騙されるのか。。。




「ん?どうした??」

「いえ、その笑顔に世の女性は皆騙されるんだなーって」

「酷いことを言うな……」

「いえ、すみません」



でも、私はこの人の本性を知ってる

人が考える“優しい王様”なんて幻想に過ぎない

この人はどんな人よりも残酷だ

そして、どの国の王よりも国の未来を第一に考えてる

優しくて、残酷な王様

それがこの人の本性
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