誇り高きシンドリアの梟

□狂気
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「アブマド王ってどんな方なんですか?」

「豚」

「え、えーっと……ししょう?」



ペンを走らせる手は止めずにそう答える

この仕事が終ったら遠征に行ってる三人組が帰ってくるまで思う存分研究が出来るっ!



「ししょー」

「ラフィ、あと三十分待って」



そう言えば見なくても分かる困った表情してるんでしょ!

もう直ぐで終るんだから待ってよ

ステイですわラフィ

犬みたい……



「はい、終わり!」

「ご苦労様です」

「で?何だっけ?」

「はい、アブマド王ってどんな方なのかなって」

「だから、豚だって」

「…ししょーはその方が嫌いなんですね」

「賢いね君は」




そう言えば引きつった笑みが返された

サブマドはともかくアブマドには一切かかわりたくない

怠惰でわがままで手に負えない

ラシッド王は一体どんな教育をしてたんだが……

そう言えば、ラシッド王が亡くなってもう随分経つんだ……



「バルバットで今何が起きてるんでしょうね……王様達大丈夫かな……」

「大丈夫でしょう?七海の覇王を伊達に名乗ってるわけじゃないんだから」

「そう、ですよね……」

「従者が王を信じなくてどうするの?」

「!」

「大丈夫だよ、きっと無事で帰ってくる」

「そうですね!」



にっこりと笑うラフィ

そう言えば、こいつと会ってから随分と経つな

ホントに時が経つのは早いね……
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